厚岸蒸溜所リリース第5弾。これまでに最長30か月樽熟成したニューメイクの4種類を発売してきましたが、本場スコットランドでウイスキーを名乗れる3年の熟成にいよいよ到達。 2016年の秋の創業から丸3年が経ち、遂に蒸溜所初のシングルモルトウイスキー(2016年11月〜12月に蒸溜した熟成年数3年超原酒のみを使用)「サロルンカムイ」が2020年2月27日リリースされました。 「サロルンカムイ」とは、アイヌ語で「タンチョウ」を指し、”湿地にいる神”という意味を込めていて、厚岸のウイスキー造りに適した環境を意味しているようです。ボトルもそのイメージに合わせて白と赤のカラーリングとしてあります。さらに同社では厚岸を”日本のアイラ”と見ていて、①ピート層を通った清冽な水②冷涼・湿潤な気候(ラムサール条約によって保全、2020年11月には国定公園になる予定)③牡蠣が取れる。などの共通点を挙げています。
- 厚岸NEW BORN FOUNDATIONS 1バーボン樽ノンピート(2018/2/27発売)
- 厚岸NEW BORN FOUNDATIONS 2バーボン樽ピーテッド(2018/8/28発売)
- 厚岸NEW BORN FOUNDATIONS 3ミズナラ(2019/3/5発売)
- 厚岸NEW BORN FOUNDATIONS 4ブレンデッド(2019/8/29発売)
- 厚岸ウイスキー サロルンカムイ(2020/2/27発売)
1.メーカー
堅展実業株式会社
2.蒸留所
厚岸蒸留所 (2016年操業開始)
アイラモルトのようなウィスキーを目指す北海道で2番目のウィスキー蒸留所
「スコットランドの伝統的な製法で、アイラモルトのようなウイスキーを造りたい」という強い想いで2016年11月に開業した厚岸蒸留所。モルトウイスキーの製造に使うポットスチル(単式蒸溜器)をはじめ、大麦麦芽を糖化させるマッシュタン(糖化槽)など、ウイスキー造りには多様な設備が必要です。
厚岸蒸溜所は、「本場・スコットランドの伝統的な製法で、アイラモルトのようなウイスキーを」との想いを実現するため、スコットランドのフォーサイス社製の設備を導入。その施工は同社の職人が来日して行ったのだとか。
アイラ島のウイスキー造りと同様、泥炭(ピート)層を通った水を仕込み水に用い、冷涼で湿潤、そして海風が当たる場所「厚岸」で日々、熟成が進んでいます。
厚岸蒸溜所は、ニッカウヰスキー余市蒸溜所(後志管内余市町)に続く道内80年ぶりのウイスキー蒸留所として稼働しております。
〒088-1124 北海道厚岸郡厚岸町宮園4丁目109-2堅展実業株式会社 厚岸蒸溜所※蒸溜所見学は「厚岸味覚ターミナルコンキリエ」が主催しています。 詳しくはこちらのページをご覧ください http://www.conchiglie.net/tour/whiskey/
3.商品名
厚岸ウイスキー サロルンカムイ
4.特徴
これまでリリースされてきたニューボーン3年間の集大成
配合された原酒は全て操業初年度である2016年製のもので、ピート(泥炭)を使っていないノンピートのバーボン樽とシェリー樽、赤ワイン樽とピーテッドのミズナラ樽の4原酒をブレンド。イチゴやチョコレートのような華やかさとピートの煙くささ、ほんのりとした甘さに加え、ミズナラ特有のニッキのようなさわやかさも併せ持つ。魚介類をはじめ肉やチョコレートなど幅広い食材と合い、ストレートのほか水や炭酸割りでも華やかな味を楽しめる。
軸となっているミズナラ樽の原酒は言わずもがな、熟成を経たピーテッドモルトや、ノンピートのバーボン樽原酒のキャラクターが随所にあり、特にピートフレーバーはノンピート原酒とのバッティングでライトに整えられて全体のなかでアクセントになっている。
タイプ:シングルモルト
原材料:モルト
アルコール分:55%
5.受賞歴
現時点では受賞歴はありません。
6.価格
小売価格:5,000円(税込:5,500円) 容量:200ml
楽天やamazonなでの通販サイトでの販売状況を調べてみたところ、9,000円~10,000円程の価格で販売されており、既に定価の2倍程のプレミア付きとなっていました。(2020年3月2日時点)
DiningBar Hidden Loungeでの提供価格
「DiningBar Hidden Lounge」では、この貴重なウィスキーを 45ml:7,500円 30ml:5,000円 15ml:2,500円 にて提供しております。
7.まとめ
中身は3年熟成のシングルモルトであるため、多少なり若さは見られます。飲み方はストレートはもちろん、お好みで少量の加水、トワイスアップ、ロックなどあらゆる飲み方をお試しください。時間をかけてゆっくり飲むと、香りが花開いて一層楽しんでいただけます。 なお、厚岸町名産の牡蠣と相性がよく、殻つきの生牡蠣に数滴垂らすと、双方の旨味が調和して潮の香りを堪能できるのだとか。 こうした牡蠣のたのしみ方もまた、アイラ島ではおなじみの習慣です。スコッチの聖地さながらの贅沢を、一度試してみてはいかがでしょうか?
前回までの厚岸ニューボーンシリーズよりも出荷量が少なく、希少価値もかなり高まっております。 ウィスキー愛好家の方は、必ずチェックすべき逸品です。
第四熟成庫も建設中で将来は大麦、ピート、ミズナラ樽材までの厚岸オールスターを目指しているそうなので、まだまだ面白いことがたくさんありそうです。